ワインの真骨頂ともいえる赤ワイン。
『神の雫』には、象徴的な赤ワインが多数登場します。
その中から特に印象に残る5本をご紹介します。
・シャトー・ル・ピュイ
作品中で重要な役割を果たす赤ワイン、シャトー・ル・ピュイ。『神の雫』の反響を受けて、価格が高騰したというエピソードまである名ワインです。
ボルドーの銘醸地サン・テミリオンやポムロールに似た土壌に恵まれ、ジロンド川周辺の高地に位置しているワイナリー。
「驚異の高原」と呼ばれる大地から生まれる赤ワインはまさに白眉。1610年から続くワイナリーが、持続可能性を意識しながら純度の高いワインを生み出してきました。
1998年以降、亜硫酸塩などの使用を極力減らし、清澄化もろ過も行わないナチュラルな製法にこだわるシャトー・ル・ピュイ。先祖伝来の畑への最高の敬意が、赤ワインに込められています。
「哲学的」「芸術的」と表現されるシャトー・ル・ピュイは、『神の雫』にふさわしい神秘性も有しています。ベルベッドを思わせるしなやかさで『神の雫』ファンを魅了し、日本での人気に寄与しました。
・ロマネ・コンティ
作品中で「究極の1本」として存在感を放つロマネ・コンティ。ワインについては何も知らないという人も知っている、世界でもっとも有名な赤ワインの一つです。
700年の伝統を持つロマネ・コンティは、富裕層のステイタスでもあり、オークションなどで高額になることでも有名。
収量を抑えて質にこだわることから必然的に希少性の高いワインとなっていますが、法外な価格を払ってでも一生に一度は飲んでみたいと切望する人が後を絶ちません。
ワイン界の伝説となっているロマネ・コンティは、石灰質と粘土質の絶妙なバランスによる土壌の独自性と、生産者たちの不断の努力の賜物。数世紀にわたって試行錯誤を繰り返した結果生まれた、珠玉のワインです。
唯一無二の洗練、揺るぎないバランスは、究極の1本の名に恥じない味わいといえます。
・シャトー・ムートン・ロートシルト
記念すべき第1巻に登場し「20世紀最大の怪物ワイン」と表現された、シャトー・ムートン・ロートシルト。
ピカソやシャガールによってデザインされたラベルと相まって、1枚の名画のようだと語られています。
1973年に五大シャトーの仲間入りを果たした後、ワインの女王と呼ばれるにふさわしい格式を維持してきたシャトー・ムートン・ロートシルト。『神の雫』の中でも印象に残る登場で、読者の心を捉えます。
ボルドーのメドック地区で生まれるこの赤ワイン、格調の高さでは定評があります。 タンニンの強さと洗練は、熟成によって磨きをかけ、熟成型赤ワインの代表格に数えられています。
フランソワ・ミレーが描いた『晩鐘』のように、大地の恩恵を十全に感じられる1本。フランスワインの卓越性が、作品中でも余すところなく語られています。
・オーパスワン
作中で「優しげで太陽をたっぷり浴びた乾いた土みたいな」と表現されたオーパスワン。『神の雫』の影響で日本での知名度が上昇した赤ワインの一つです。
新世界のワインとして欧州産のワインと拮抗する高評価を持つオーパスワンは、高級カリフォルニアワインの代名詞。
フランスのシャトー・ムートン・ロスチャイルドとアメリカのモンダヴィ・ワイナリーの共生関係から生まれ、短期間で芸術的なワインの地位を確立しました。
ヨーロッパの優雅とカリフォルニアの太陽の調和は、まさに太陽の恩恵を受けた肥沃な土壌のような壮大さ。闊達なその味わいは、『神の雫』の中でも熱く語られています。
・サッシカイア
イタリアワインの歴史に大きな功績を残したスーパータスカン。トスカーナの気候と土壌の調和によって生まれたサッシカイアは、スーパータスカンの先駆けとなった赤ワインです。『神の雫』では19巻に登場し、貴族的な味わいが語られます。
イタリアの公爵たちがフランスのボルドーワインに憧れたことから生まれたスーパータスカンは、イタリアンワインのルネサンスともいわれています。
エトルリア海岸沿いの岩だらけの土壌は、カベルネ・ソーヴィニヨンやカベルネ・フランなど、フランスの品種との相性が抜群。
1972年のサッシカイアのヴィンテージは世界中の注目を集め、イタリアのワインの実力を世に知らしめました。
力強さが際立つイタリアのワインの中では、抜きん出たエレガンスを誇るサッシカイア。カルト的な人気を誇ります。