メリットが多いオーガニックワイン。課題もあります。
今後、オーガニックワインはどのように発展していくのでしょうか。
オーガニックワインの未来を、いくつかの観点から見てみましょう。
・オーガニックワイン、今後の課題は?
オーガニックワインの生産には、まだまだ問題があります。
例えばコスト。農薬や化学肥料を使わないことで、より多くの労働力を要すため、コストが高くなりがち。
また、即効性のある化学由来の物質を避けることは、品質を向上させる一方で、気候や害虫に対する脆弱性に直結します。
伝統への回帰とともに、生産性も維持できる技術開発は今後の大きな課題となるでしょう。
・気候変動がワイン生産に与える影響
地球の温暖化や気候変動は、具体的にワインの生産にどのような影響を与えているのでしょうか。
まず、平均気温の上昇によって、ワインの成熟が加速しています。
糖と酸のバランスがこれまでとは異なるブドウが生まれるため、生産者は醸造過程で調節をする必要が出てきました。
また平均気温の上昇によって、伝統的なブドウ生産地域で、生産量や質の維持が難しくなっています。
一方で、イギリスやスカンディナヴィア南部など、これまでブドウ栽培に向かない地域が注目されるという現象も。
フランスの銘醸地シャンパーニュやブルゴーニュは、ここ数年、季節外れの霜に悩まされています。カリフォルニアやオーストリアでは、干ばつによる水不足が深刻化。
また過剰な降雨量は、各地で真菌性の病気を引き起こし、ブドウの質を低下させています。
こうした事態に、各地のワイン生産者は対応に追われている状態なのです。
・オーガニックワインの認証について
農家や生産者が手間やコストをかけるオーガニックワイン。多少高くても、将来を考えて購入したいと思う方は多いと思います。
オーガニックワインの認証は時間がかかり、プロセスについては問題になることも少なくありません。
現在、オーガニックワインの認証制度には、次のようなものがあります。
・USDAオーガニック:アメリカの農務省による認証。原材料が100%オーガニックのブドウであることの認証です。
・EUオーガニック:欧州連合による認証で、EUの有機規制に準拠しているワインです。
・CANADA ORGANIC:カナダの認証で、化学肥料を使用せず、持続可能な農業によって収穫されたブドウを原料としたワインです。
・IBDオーガニック:ブラジルの認証で、厳格なオーガニック規制を満たしたワインに付されています。
・BIODYVIN:バイオダイナミック農法によって収穫されたブドウを原料にしたワインにつけられる、ヨーロッパの認証です。
・デメテル:バイオダイナミックのワインの国際的な認証です
オーガニック認証は各国によって条件が異なりますが、上記の認証を参考に、ぜひおいしいオーガニックワインを見つけてみてください。
・世界で始まっているオーガニックワイン生産の動き
ブドウの有機栽培は、1980年代から始まったといわれています。特にフランスのブルゴーニュ地方はこの動きが活発で、リュット・レゾネと呼ばれる減農薬農法が普及していきました。
スパークリングワインで有名なシャンパーニュでも、バイオダイナミック農法やオーガニック農法を導入し、よりキリッとした酸味を際立たせることに成功しています。
近年の発展が目覚ましいニュージーランドは、炭素排出量を減らす試みで、持続可能なワイン生産を牽引しています。
ポルトガルは、マイナーになってしまった在来種バガやエンクルザドなどを復活させ、地域密着型のオーガニックワインに着手しています。
ジョージアでは、古代から伝えられてきたクヴェヴリスという製法が復活。
発酵のための薬剤を使用せず、土中に埋めたアンフォラ(古代のワイン容器)で自然発酵させる手法が、大きなニュースになりました。
高地でのブドウ栽培や、暑さに強いグルナッシュ種の導入など、負の部分をカバーしつつ、オーガニックワインは発展を続けています。
・消費者の観点から見たオーガニックワイン
私たち消費者は、オーガニックワイン推奨のために大きな役割を担っています。
オーガニックワインを実践するワイナリーのワインを選ぶことで、より持続可能なワインを促進することにつながるためです。
オーガニックワインを選ぶことは、8000年ものあいだ継承されてきたワインの文化を、将来に残すための投資でもあります。
傍観者としてワインを楽しむだけではなく、地球規模で参加が求められている環境向上を意識して、オーガニックのワインを楽しんでみるのも一興です。
何よりも、自然によって育まれたオーガニックワインのおいしさに触れてみてください!
それこそが、ブドウの栽培やワインの造り手への敬意となります。