年間、2億本強というワインを販売している地域ブルゴーニュ。ブルゴーニュ産のワインは、フランス国内だけでなく、アメリカや日本でも大人気です。複雑に重なり合った土地から、それぞれの特徴を持つワインが数多く生産され、高い評価を得ています。
ワインの産地ブルゴーニュの特徴を解説します。
・古代からの歴史
古代にはガリアと呼ばれたブルゴーニュ。フランスの中東部に位置する地域です。
古代ガリアでは、大麦から作るビールがアルコールの主流でしたが、ローマによる征服後からワインの生産が開始。紀元前3世紀ごろから、ブルゴーニュエリアではワインが作られていたといわれています。
ブルゴーニュ産のワインの名声が高まったのは中世の時代。
640年に、ある貴族が修道会に寄進した土地が、銘醸地コート・ドールへと発展します。
12世紀、キリスト教会のシトー派の修道士たちによって畑が開墾され、醸造技術も進歩しました。当時から修道士は、土地ごとに異なるワインの味わいを文書にして残していて、ブルゴーニュ特有の細分化された単一畑のワインは、この地域の伝統となったのです。
・ブルゴーニュの気候と土壌
ブルゴーニュの中心都市はディジョン。ある調査によれば、ディジョンはフランス人がもっとも住みたい都市の一つだそうです。歴史的建造物、おいしいワインと食、交通の便のよさ、居住環境の秀逸さなど、ブルゴーニュはフランス人も憧れる地域です。
内陸に位置するブルゴーニュは、大陸性気候が特徴。夏は暑く、冬はかなり冷え込みます。霜や雹、降雨量の影響を直接的に受けるため、ブドウの出来や収穫量は年によって大いに異なります。ブドウが主原料のワインは、生産された年によって特徴が違いますが、特にブルゴーニュのワインは年ごとの特色が顕著です。
こうした気候とともに、土壌もブルゴーニュワインの味を決める大事な要素。ブルゴーニュの土壌はジュラ紀由来の粘土石灰質が特徴で、約2億年前から堆積した土は、ワインに複雑な味をもたらします。また断層も多いため、隣り合う畑でも収穫されるブドウの味わいが大きく変わります。
「グラン・クリュ(偉大なる土地)」と呼ばれる畑は、気象や土壌のよい条件が重なり、高い評価を得るワインを生み出しています。
・ブルゴーニュワイン、高評価の理由
世界でもっとも有名なワインの一つ「ロマネ・コンティ」の産地ブルゴーニュ。ワインの聖地と呼ばれるブルゴーニュの中でも、「コート・ドール(黄金の丘という意味)」は世界的な高級ワインを生み出し、価格の高さで話題になることもしばしば。
ブルゴーニュのワインの評価が高い理由には、次のようなものがあります。
(1)細分化された畑を基本にした小規模な生産
(2)ピノ・ノワールやシャルドネを使った単一品種のワイン
(3)自社畑を持ち、栽培から醸造まで手がけるドメーヌが多い
違う畑で収穫されたブドウをブレンドしたワインや、畑の細分化がされていない地域が多い中で、ブルゴーニュ地方のワイン造りは突出した特徴を持っています。その特異性が、世界をうならせるワインを生み出す理由となっています。
・ブルゴーニュの「ドメーヌ」と「ネゴシアン・エルヴール」
ブルゴーニュには、ブドウの栽培からワインの製造まですべてを行う「ドメーヌ」が約3,500軒あります。また、自分ではブドウを栽培せず、農家から買い取ってワインを醸造したり、樽ごとワインを買って熟成したりする「ネゴシアン・エルヴール」と呼ばれる人たちがおよそ270軒。
小規模でも、ブドウ栽培から始まるワイン生産のすべてを担う造り手(ドメーヌ)の割合がフランス国内でもっとも高いのが、ブルゴーニュです。
・独自の格付け方法
フランスのワインを語る上でよく耳にする「グラン・クリュ」。最高峰のフランスワインを生み出す土地に与えられる「グラン・クリュ」という名称は、各地域によってルールが違います。
シャンパーニュ地方が村単位、ボルドー地方は生産者に対して「グラン・クリュ」という言葉が使われるのに対し、ブルゴーニュは畑を単位にしています。ブルゴーニュの「グラン・クリュ」は33面ありますが、これはブルゴーニュ全体のわずか1%ほど。グラン・クリュから生まれるワインが高額になるのも当然といえるでしょう。